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謎のイギリス娘、その隠された素顔とは♪(アーカイブ)

謎のイギリス娘、その隠された素顔とは♪

ミュージカルフィデリティー(以後、MF)のインプレッションは、オデオ系ブログやHPで結構多く見かける。

特に、ベストセラーのプリメインアンプA1は、いまでも愛用者が多く、おおよその音傾向はA1系記事
のインプレから感じ取ることができよう。

A1を語られる上で共通して出てくるワードは、「濃厚」「濃密」といった艶っぽい暖かみのある音を表すものが多く、小生がこれまで英国系アンプに抱いていた音色のイメージとは少々異なるようだ。

英国系アンプといえば、クォードが第一に連想される。
拙宅で使用したことは無いものの、友人が管球式パワーアンプ「QUAD?」とコンデンサー型スピーカー「ESL」を愛用していたため、折に触れクォードサウンドに接することができた。

その音は、繊細にして箱庭的。
決して羽目をを外すことなく、限られたレンジ内でシットリとした品の良い音を聴かせるのが特徴である。
大音量でなく声楽曲や室内楽をひっそりと鳴らすと非常にフレッシュな音像が表出する。

あたかも、至極上品な物腰の英国紳士淑女をイメージさせる音色であった。

このコンパクトで上品な音=英国アンプの音というイメージがあったため、前述した他の方のMFに対する
「濃厚」という感想は違和感があるものであった。

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今回、期せずして、プリメインアンプとプリアンプの違いこそあれ、MFの音に触れ体感することができたので、拙宅システムでのMF感を書いてみたいと思う。

早速の試聴。

試聴機器は、オーバークオリティ気味かもしれないが、できる限り「PREAMP B3」の能力を引き出すことを前提に構成した。
特にMFが得意とするヴォーカル再現力を問うことを念頭にカップリングする機器をチョイスした。

トランスポートにはクレルMD−1、DACにはマークレビンソンNo.30.6L、パワーアンプはアキュフェーズM−1000、スピーカーはお馴染みJBL K2 S5500である。
SACD対応として、適宜、パイオニアDV−AX10を使用。

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ヴォーカルを高密度に、より生々しく再生するのであれば、パワーアンプはマッキントッシュMC−2500が適任だが、MC−2500はともすればその強烈な個性で、プリアンプやプレーヤーの微細なキャラクターまで支配してしまうため、試聴用リファレンスとしては向いていない。

小生の試聴記事でMC−2500があまり出てこないのは、そのためである。
その点、M−1000はニュートラルな音色で、組み合わせる機器の特徴を如実に表わす能力に長けている。また、M−1000の再生能力のキャパシティは広大で、相当高度なプリやプレーヤーを組み合わせても十分に受け止めるだけの懐の深さもある。

プログラムソースは女性ヴォーカルに特化して試聴。
3枚のヴォーカルアルバムと、全体の再生能力確認用にヴァイオリンのSACDハイブリッド盤を聴いた。

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『ゴーストライター/柴田淳』
ご存知、拙ブログの歌姫(笑)、しばじゅんこと柴田淳の最新アルバム。録音のクオリティは抜群に高いわけでもなく、曲によってバラツキもあるが、ここぞというポイントでは、鳥肌が立つほど生々しいヴォーカルを聴くことができる。聴きどころは#3、#5、#8。震えるようなビブラートや生っぽいブレスがどれだけリアルに再現できるかだ。

これはなかなか面白いバランスの再生音だ。他のプリと比べて、バックの演奏が小さ目に聴こえる。その分、しばじゅんのヴォーカルがクローズアップされて眼前に艶めかしく展開する。ヴォーカルを聴いたぞ!という満足感に浸れるバランスだ。高域のレンジはほどほど、低域もそれほど伸びてはいないが、音楽を聴く上では何の不足感も抱かせない。

音色は暖色系だ。A1で言われる濃密な「トロっ」とした音ではなく、優しい「ふわっ」とした柔らかさを感じる。音像のエッヂを適度に丸めて聴かせるため、刺激的な成分がろ過され、心地よい歌声だけが耳に届く。しばじゅんが幾分、若返って可愛くなったような再現性だ。

『MY ONE AND ONLY THRILL/メロディ・ガルドー』
このアルバムはここ最近、小生が聴いたヴォーカルアルバムの中では、音質的にも楽曲的にもピカイチ。
前作のメロディ、デビュー作「夜と朝の間で」(書庫「美女ジャケに恋して♪」で紹介済み)も良かったが、今作は更に洗練されシンプルだがリアリティに富んだ深みのあるヴォーカルを聴くことができる。

B3での再生は、メロディのヴォーカルが若干軽くなるようだ。しばじゅんの時に感じた「ふわっ」とした独特の甘さはここでも聴くことができる。ゴールドムンドMM7.5のような目も眩むような甘美な音とは異なるのだが、綿菓子を口に入れた時に「ふわっ」と溶けるような、あの口当たりの甘さだ。

B3のレンジ感はそれほどでもないので、高域の余韻感が減少、ヴォーカルの深い響きが少々浅い。
オーディオ的クオリティの高い高音質盤を十全に再生するには、少々荷が重いのかもしれない。
しかしながら、全体の再生バランスが絶妙なため、知らず知らずの内に聴き入ってしまう魅力ある音だ。

『come away with me/ノラ・ジョーンズ』(SACDハイブリッド)
もう、完全に耳タコのヴォーカルアルバム。すでに何十回、いや百回以上は聴いているだろうか。音の良さは言うまでもないが、楽曲のクオリティも抜群に高く、これまでのノラのアルバムではこのデビュー盤がピカイチだろう。

今回はSACDレイヤーを試聴。ヴォーカルのスモーキーな雰囲気は良く出ている。B3の中低域主体のバランスと例の“甘さ”が、ノラの朴訥としたヴォーカルにマッチしている。ヴォカール帯域の密度感も過不足ない。しばじゅんと同様、バックの演奏が一歩下がりヴォーカルがより浮き立つ感じがする。

実はこのアルバム、システムの能力をあからさまにする、非常に厳しい聴きどころがある。1曲目「Don’t Know Why」のヴォーカルのフォルテ部分、中高域の再生能力が不十分なシステムだと、「チリチリ」と破綻して聴こえるのだ。この部分を耳障りになる事なく、しっとり瑞々しく聴くことができれば、相当高レベルのシステムであるといえよう。B3は、この難所を難なくクリア。耳障りになることなくスムースに心地よくノラのヴォーカルを聴かせる。これは大したものだ。

「ドリーム/宮本笑里」(SACDハイブリッド)
新進のヴァイオリニスト宮本笑里の3rdアルバム。CM曲やTVテーマ曲、カッチーニのアヴェ・マリアなどクラシックの小品など耳に馴染んだ曲が満載。録音はかなりのハイクオリティ。特にヴァイオリンの背景に三次元的に展開する音場感は実に見事で美しい。

このヴァイオリンを完璧にこなすには、相当の分解能力と広大なfレンジ、Dレンジといったオーディオ的特性の良さがシステムに要求される。

B3は太目で力感あふれるヴァイオリンの音を聴かせる。アコースティックな響きに過不足無く、実体感のあるヴァイオリンである。空間的な広がりはそれほどではないため、音場の空気感はあまり豊かでないが、平面的になることは無く、平均的な音場の再現性といえよう。宮本笑里の魅力は十分に伝わってくる音色だ。

以上が4枚のプログラムソースをB3で聴いたインプレッションだ。

トータルでいうならば、A1で言われるような熱っぽいトロみのある濃厚な音色ではなく、中低域のボリューム感を中心に暖かで柔らかな独特の甘みを感じさるに柔和な音色である。

温度感は高めだが、クレルやカウンターポイントのように「火傷するぜぇい!」というほど“熱さ”ではなく、ほんのり人肌の温もりを感じさせる程度。ピラミッド型の腰の据わった、どっしりとしたサウンドバランスなれど、低域過多になったり、マッシブな迫力は無く、根底には「英国淑女」の清々とした品の良さを感じさせる。
やはり、これは、まぎれもなく「英国」アンプの音だ。

ヴォーカル帯域をクローズアップする特性は、どのヴォーカルアルバムを聴いてもヴォーカリストとの距離が縮まったような錯覚さえ覚え、トロリとした甘い語り口と相まって、大変魅力的な歌声を聴くことができる。

スケール感溢れる壮大なシンフォニーをエネルギッシュに聴く、という聴き方にはマッチしないが、小編成の管弦楽や、ヴォーカルものを甘く心地よく聴くのに適した魅力的なプリだと思う。

そのサウンドは、「ハイフィデリティ」というよりは、まさに「ミュージカルフィデリティ」である。
物性や特性などに惑わされること無く、“音楽性”のみを追求した結果、生まれたアンプであろう。
数値データの亡霊に取り憑かれている“某国”の技術者には決してつくれないオーディオ製品かもしれない。

MF初体験で聴けた綿菓子のような甘さに魅かれて、今宵はどのディーバに囁いてもらおうか。

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